【東アジア】フィリピンの投資環境

東南アジア

投資環境について

海外資産倶楽部では、各国の基本データに加えて、預金、株式投資、FX、不動産、暗号資産といったさままな投資(投棄)対象についての市場や規制の状況などを纏めています。
各国の投資環境、今回はフィリピンです。
フィリピンの投資環境を確認して置くのも良いと思いますよ。
各分野の詳細についてはそれぞれ別の記事で展開して行きます。

フィリピンの基本データ

■国名 フィリピン共和国
■表記 Republic of the Philippines
■首都 マニラ
■人口 1億0660万人(12位)*
■言語 フィリピノ語及び英語
■面積 29万9,404平方km
■GDP 3,309.1億ドル(40位)**
■通貨 フィリピンペソ(1PHP≒2.15円)***


*2019年度IMF発表データによる。
**2018年度IMF公開名目GDPデータによる。
***2020.7.24.EXCHANGE-RATES.ORGレート参照による。

外交

フィリピンは、歴史的にみると1571年にスペインによって占領され、その後1898年の米西戦争によって米国の統治下に置かれました。
更に第二次大戦中は日本の占領にあり、1946年に独立を果たしました。
戦後はアジア諸国の中でもっとも米国の影響を強く受けています。
米軍の海外最大規模の基地であるクラーク空軍基地などが置かれていました。
但しコラソン・アキノ政権下の1991年に、米軍基地を閉鎖する決定を議会が行ない米軍が撤退するという事態に発展しています。
ただその後も政治・経済両面で米国との結びつきは深く、代々親米政権が政治を担ってきました。

中国に接近

2016年にロドリゴ・ドゥテルテ氏が大統領の座に付くと、ドゥテルテ大統領は米国への批判を強め、中国に接近する姿勢を見せました。
フィリピンと中国との間には南沙諸島のミスチーフ礁を巡る領土問題が存在しますが、ドゥテルテ政権以前は中国側がフィリピン船を排除していた区域でも、現在はフィリピン漁船の操業が可能になるなど一定の関係改善の効果は見られています。
但しフィリピン人には根強い反中意識があるとも言われ、こうした関係が今後も進展していくかどうかは不透明です。

通貨

フィリピンの法定通貨はフィリピン・ペソです。

銀行預金

フィリピンの政策金利(翌日物借入金利)は2020年8月時点で年2.25%です。
2020年に入ってから合計で1.75%利下げをしていますが、それでも日本と比べると高金利の国と言えます。
外国人でもフィリピンの銀行で口座を開設することは可能です。
ただ年々口座開設は難しくなっており、旅行者が現地で口座を開設できる銀行は少なくなっています。
但し、フィリピンナショナルバンク(PNB)やBDOユニバンクなどは日本の支店を開設しており、日本在住者でも口座開設をすることができます。

株式投資

フィリピン株は、その殆どがフィリピン証券取引所(PSE)で取引されています。
フィリピン証券取引所(PSE)には2019年6月時点で266銘柄が上場されています。
日本でフィリピンの株式を扱っている主な証券会社は以下の通りです。

●アイザワ証券

FX(外国為替証拠金取引)

フィリピンペソ(PHP)は国際的には殆ど流通していない通貨です。
そのためフィリピンペソ/円(PHP/JPY)を取り扱っている日本のFX会社はありません。

不動産

フィリピンは2019年まで高い経済成長率を維持してきたことを反映して、不動産価格も上昇を続けています。
フィリピンは人口が多く、しかも平均年齢が高いことから、今後についても不動産需要の拡大が期待できます。

人気はマニラ

不動産投資の対象として人気があるのは、やはり首都・マニラとその近郊地域です。
特にマニラの東南に位置する経済の中心地のマカティ(Makati City)は人気が高く、日本にもマカティ専門の不動産仲介業者があるほどです。
ボニファシオ・グローバルシティ(Bonifacio Global City)も通称”BGC”の名で知られており、人気があります。
最近ではオルティガス(Ortigas)もビジネスエリアとして企業の集積が進んでおり、注目されています。
マニラ近郊以外では、国際的にも有名なリゾート地であるセブ島も不動産投資向けの物件が多く、注目を集めています。

暗号資産

フィリピンは暗号資産(仮想通貨)の人気が非常に高い国の1つです。
暗号資産関連のプロジェクトも多く、また一般市民の間でも暗号資産を活用しているケースがかなり多いと言えます。
フィリピンでは海外に働きに出る出稼ぎ労働者が多く、国際送金の手間と手数料の問題が社会的な問題ともなってきました。
それを解決し得る送金手段として、早くから暗号資産(仮想通貨)が注目され、利用されてきたという背景があります。
ただ実現性に疑問が残るICO(コインの販売により資金調達)や、詐欺的なプロジェクトも少なくなく、新たな社会問題を引き起こしています。

外貨準備高

フィリピンは2019年時点で約798億ドルの外貨準備高*を抱え、これは世界第23位の水準になります。
強力な国際通貨では無いだけに充分な体制とは言い切れませんが、通貨防衛力は一定以上の水準を超えている国と考えてよいでしょう。

*Global Note 世界の外貨準備高 国別ランキング2019年参照

まとめ

フィリピンは日本から近く、馴染みの深い国ですが、投資となると余り注目されない国と言えるかも知れません。
けれども実際にはフィリピンは成長期に入り、将来性も高く、投資対象も豊富です。
魅力溢れる国の成長に投資してみるのも、楽しいのではないかと思いますよ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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