ウズベキスタンの株式投資

海外投資

タシケント共和国証券取引所

中央アジアの国・ウズベキスタンの株式取引は余り知られていませんが、ウズベキスタンには「タシケント 共和国証券取引所(RSE Tashkent)」と言う証券取引所が開設されています。

●名称 タシケント 共和国証券取引所
●略称 RSE Tashkent
●設立 1994年1月
●上場 183社(2018年)

※JETRO発表データによる

日本も支援している

タシケント共和国証券取引所は1994年設立と新興国の中ではかなり歴史のある取引所です。
日本の証券取引所との関わりもあります。
2014年4月には日本取引所グループと「ウズベキスタン証券市場活性化支援の協議に係わる基本合議」を締結しています。

証券取引所の取引は停滞

日本貿易振興機構(ジェトロ)タシケント事務所のレポートによると、ウズベキスタンの2018年1月時点の株式会社は606社で上場企業数は183社となっています。
株式会社の内約7割以上について政府系機関が株を所有しており、政府の影響力が強い証券市場であると言えます。

資金調達は銀行中心

ウズベキスタンでは証券市場の流動性が低く、企業の資金調達方法は銀行融資が中心と言うのが実状です。
証券市場でも高配当な株の多くは政府や国営企業が所有しており、一般投資家にとっては魅力が乏しいものになっています。
その為、証券取引所での株式の売買は停滞しています。
また証券取引所での取引は9割が銀行株の売買と取引が偏ってい点も懸念されます。

相対取引

市場を使う取引よりは、売り手と買い手が市場を介さずに売買するOTC取引(店頭取引)が利用される傾向にあります。
2017年の実績では上場企業の半数以上が証券取引所での取引が無く、売り手と買い手が相対で取引するOTC取引(店頭取引)が中心となっています。
証券取引所を介さないOTC取引(店頭取引)は専門業者のシステムを使って行われます。
2018年現在、OCT取引ができるシステムはElsis-Savdo社の「流通市場取引システム (ESMTS)」だけとなっています。

銀行預金より不利!?

ウズベキスタンでは銀行の固定預金(定期預金)の利率が非常に高く、現地通貨(スム)建であれば年利20%超の金利を提示する銀行(2018年実績)もあります。
現地通貨建ての預金と比べると金利は落ちますが外貨建ての預金でも3~5%の金利を提示する銀行が数多くあります。
これに対して株式投資は値動きが少なく手間が掛かる割にリターンが少ない投資となっており、現時点では一般投資家からは余り支持されていません。

政府は市場活性化に積極的

しかしながら株式市場の将来性と言う意味ではポジティブな要素が多く、大いに期待できます。
何より大きいのがウズベキスタン政府が株式市場の開放に積極的に乗り出している事です。
ウズベキスタンの企業の資金調達は現状では銀行融資に頼るケースが殆どですが、旺盛な資金需要に応える事ができず需給はひっ迫しています。
政府は国外からの投資に対しても証券市場への参加や利益の外貨への交換など着々と投資環境を整備しつつあります。
2019年9月には非居住の外国人による商業銀行の株式取得に際し、5%未満の取得については中央銀行の事前許可を不要とする決定をしました。
取引所取引の大半を占める銀行株の取得が簡素化される事で、証券市場の流動性が高まる事が期待されます。

証券市場が拡大する余地

国際通貨基金(IMF)の2015年のデータによれば、ウズベキスタンの証券取引売買高はGDP比で8.9%しかありません。
日本の水準(127.1%)とは行かなくても、例えばこれがトルコ(48.7%)などと同じ水準になれば、単純計算でも現在の6倍の証券市場です。
実際には分母(GDP)の拡大も見込まれるのでそれ以上に大きな証券市場になる事になります。
市場拡大の余地はたっぷりある上に、ウズベキスタン政府が積極的な市場活性化に動き出している以上、こうなる可能性は充分にあると言えます。

兌換規制の撤廃

ウズベキスタン経済は2004年頃から目覚ましい成長を見せていましたが、国外の事業者や投資家はウズベキスタンでの事業展開や投資にメリットを見出せずにいました。
ウズベキスタンでは通貨の兌換に規制があった為、現地通貨(スム)で利益を あげても利益を外貨に換えて国外に送金する事ができなかったのです。
この為海外企業も機関投資家も証券市場に参加する状況にありませんでした。
ところがウズベキスタン政府は2017年9月5日にスムの外貨への兌換を認める形で規制を撤廃しました。
これにより事業者や投資家は初期投資や利益を回収する事ができるようになったのです。

外国人が口座を作れるか

ウズベキスタン政府は既に非居住の外国人投資家が国内の証券市場に参加する事を認めています。
外国人投資家が国外の銀行口座で配当金を外貨で受け取る事も認めています。
つまりウズベキスタン国内の銀行に口座を持たなくても証券市場に参加できると言う事です。
証券取引所での取引をする為には証券取引所との取引を仲介する仲介業者(通常は証券会社)に証券口座を開設する必要があります。
ウズベキスタンには70社以上の正式な仲介業者(証券会社)があります。
但し2020年1月時点で非居住外国人の個人が証券会社に口座を開設できるか、どの証券会社で開設できるかどうかについては確認が取れていません(すみません)。
何と言っても他に類を見ないスピードで制度が変わって行くので、制度を追い切れない部分があるのです。
制度的にOKでも現場では口座を作る体制がないと言う事も往々にしてあります。
ただ仮に現在はだめだとしても個人投資が数年内に解禁される可能性は非常に高いと考えています。
現在確認を進めていますので、分かり次第掲載します。

まとめ

ウズベキスタンの証券市場は国外から見ていると、稀に見るフロンティア市場に見えます。
理由の1つとしては、今後資金を必要とし事業の費用対効果の高い企業が容易にリストアップできる事があります。
タシケントではこれから不動産が高騰する可能性が高く、資金需要が拡大する事が予想されます。
鉄道事業では、車両さえ確保できれば集客が確実視されている高速鉄道があります。
その最初の段階に関われるチャンスは殆どありません。
何よりウズベキスタンへの投資にはワクワク感があります。
個人への証券市場開放のチャンスが来たら、乗っかってみるのも楽しいと思いますよ。
もちろん実際の投資は御自身の判断、自己責任でお願いします。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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