マレーシアの投資環境

各国の投資環境

投資環境について

海外資産倶楽部では、各国の基本データに加えて、預金、株式投資、FX、不動産、暗号資産といったさままな投資(投棄)対象についての市場や規制の状況などを纏めています。
各国の投資環境、今回は東南アジアの多民族国家、マレーシアです。
マレーシアの投資環境を確認して置くのも良いと思いますよ。
各分野の詳細についてはそれぞれ別の記事で展開して行きます。

マレーシアの基本データ

マレーシアは東南アジアのマレー半島とボルネオ島の北部に跨る、日本とほぼ同じ位の面積の国土を持つ国です。
マレー系、中国系、インド系などさまざまな民族が同居する「多民族国家」という特徴を持っており、多様性のある社会を形成しています。
宗教的にはイスラム国家でありながら、仏教、キリスト教、ヒンズー教などさまざまな宗教が共存しており、多様性は強みでも弱みでもあります。

■国名 マレーシア
■表記 Malaysia
■首都 クアラルンプール
■人口 3,239万人(43位)*
■民族 マレー系(約70%)、中国系(約23%)、インド系(約7%)
■言語 マレー語
■面積 約33万平方km(日本の約0.9倍)
■GDP 3,585.8億ドル(37位)**
■通貨 リンギット(1MYR≒24.9円)***


*2019年度IMF発表データによる。
**2018年度IMF公開名目GDPデータによる。
***2020.7.24.EXCHANGE-RATES.ORGレート参照による。

外交

マレーシアはASEAN(東南アジア諸国連合)の原加盟国であり、ASEANの活動に積極的に関与しています。
欧米諸国では旧宗主国の英国との関係が深く、貿易などを通じてオーストラリアとも良好な関係を築いています。
親日国としても知られており、日本とも友好的な関係を続けています。
近年は中国の影響力が相当に大きくなっていましたが、2018年5月にマハティール氏が首相に復帰すると、過渡な中国依存に待ったを掛けました。
また隣国のシンガポールとは密接な関係を持ちながらも、しばしば外交的な対立を見せています。

経済

マレーシアは東南アジアの中でもいち早く経済成長に成功した国の1つで、自動車業産業など工業化にも成功しています。
石炭、原油、天然ガス、錫などを豊富に抱える資源国でもあり、日本にも天然ガスなどを輸出しています。
人口が3,300万人規模と余り多くは無く、国内需要が大きくは無いため、貿易にウェイトを置かざるを得ない背景を持つ国でもあります。

通貨

マレーシアの通貨はリンギットです。
リンギットは新興国通貨、あるいは資源国通貨と呼ばれるカテゴリーに入る通貨で、世界経済の動向や資源価格の変化に影響を受けやすい傾向があります。

銀行預金

マレーシアの銀行は日本よりも預金金利がかなり高くなっていて、1年定期で預金金利が3%以上の銀行も少なくありません。
マレーシア在住では無い外国人がマレーシアの銀行口座を開設することは難しくなっています。
銀行口座の開設には就労ビザかMM2Hビザが必要となります。
MM2Hの仮承認レターで開設可能な銀行もあります。
但しマレーシア国内に不動産を持っていれば、ビザが不要になるケースもあり、日本に居住しながらでも銀行口座を作れる銀行もあります。
但し口座開設の為に現地に行って手続きをする必要があります。

株式投資

マレーシア株は、その殆どがマレーシア証券取引所で取引されています。
日本でマレーシアの株式を扱っている主な証券会社は以下の通りです。

●SBI証券
●アイザワ証券
●楽天証券

FX(外国為替証拠金取引)

マレーシアの通貨リンギットは新興国通貨、あるいは資源国通貨として世界経済の影響を受けやすい通貨と言えます。
リンギット/円の通貨ペアを扱っている日本のFX会社はありません。
以前はIG証券がリンギット/ドル(MYR/USD)の通貨ペアを扱っていたのすが、現在では取り扱っていない様です。

不動産

マレーシアの不動産は外国人でも購入することができます。
またアジアでは数少ない、外国人が土地付き住宅を購入することができる国でもあります。
但し購入には「リンギット規制」と呼ばれている制限があり、外国人は地域(州)ごとに決められた金額以上の物件でなければ購入することができません。 
原則は100万リンギット(約2,500万円)以上でしたが、2020年6月からは60万リンギット(約1,500万円)以上に引き下げられています。
最低金額は、セランゴール州では200万リンギット、サバ州は50万リンギットなど州によっても異なります。

クアラルンプール

マレーシアの不動産投資で人気があるのは、やはり首都のクアラルンプール(KL)です。
クアラルンプールは東南アジア有数の大都市で、インフラも整っていますが、日本に比べると物件価格はとても割安です。
個人でも首都の一等地の物件が買えてしまうのは大きな魅力です。

その他の地域

マレーシアではクアラルンプール(KL)だけでは無く、他にも不動産投資に人気の地域が幾つかあります。
代表的なエリアがペナンとジョホールです。

ペナン

ペナンはマレーシア北部のペナン島と対岸部からなる都市で、世界遺産を抱え、美食の街としても知られています。
日本人の移住先としても人気のあるエリアです。
島とはいってもマレーシア有数の都市であり、日本語が通じる総合病院もあるなど生活インフラが整っています。
MM2Hを取得している場合にはリンギット規制が引き下げられるなど外国人投資家に対する優遇もあります。

ジョホール

ジョホールはシンガポールに隣接するエリアで、元々は荒地帯だったところを国家的プロジェクトとして開発し、近代的な都市に成長させたエリアです。
積極的な外資の受け入れを推進しており、ジョホールのメディニ地区ではリンギット規制(最低購入価格制限)もありません。

暗号資産

マレーシアでは、暗号資産に関する法規制の方針を2019年1月に発表しました。
これにより、マレーシア国内で営業する暗号資産取引所は政府の認可が必要になりました。
マレーシア証券委員会は暗号資産に対する積極的な法整備を行っていて、2020年には相次いで暗号資産取引所が承認されています。
マレーシアは暗号資産を積極的に育てて行こうという姿勢を取っていると言えます。

移住

マレーシアは日本人の移住先国としても非常に人気があります。
ロングステイ財団が毎年実施している「日本人の住みたい国ランキング」では2006年から14年連続で第1位の座にあります。
実際マレーシアには治安が良く、医療水準も高く、物価が安いなど数々の魅力があります。
またMM2Hという長期ビザ取得制度があり、移住のハードルが低いという点も見逃せません。
親日の国でもあり、当面の間この人気は変わりそうにありません。

外貨準備高

マレーシアは2019年時点で約1,017億ドルの外貨準備高*を抱え、これは世界第21位の水準になります。
マレーシアは資源安による通貨の下落を数度に渡って経験しているだけに、通貨準備にはかなり力を注いでいます。
強力な国際通貨では無いだけに充分な体制とは言い切れませんが、通貨防衛力は一定以上の水準を超えている国と考えてよいでしょう。

*Global Note 世界の外貨準備高 国別ランキング2019年参照

まとめ

マレーシアは未だ経済成長期にあり、魅力的な投資対象を数多く抱えている国です。
日本人の移住希望先としても人気が高く、長期滞在を可能にする制度もあります。
投資と移住をセットで考えることも充分に視野に入る、可能性の大きな国でもあります。
マレーシアという国と投資に興味を持ってみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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