投資環境について
海外資産倶楽部では、各国の基本データに加えて、預金、株式投資、FX、不動産、暗号資産といったさままな投資(投棄)対象についての市場や規制の状況などを纏めています。
各国の投資環境、今回は東南アジアの社会主義国・ベトナムです。
ベトナムの投資環境を確認して置くのも良いと思いますよ。
各分野の詳細についてはそれぞれ別の記事で展開して行きます。
ベトナムの基本データ
■国名 ベトナム社会主義共和国
■表記 Socialist Republic of Viet Nam
■首都 ハノイ
■人口 9,458万人(15位)*
■民族 キン族(越人)約86%、他53の少数民族
■言語 ベトナム語
■面積 32万9,241平方km
■GDP 2,412.7億ドル(47位)**
■通貨 ドン(1ドン≒0.0046円)
*2018年度IMF発表データによる。
**2018年度IMF公開名目GDPデータによる。
***2020.7.24.EXCHANGE-RATES.ORGレート参照による。
ベトナムの外交
ベトナムは基本的には全方位外交を指向し、ASEANを始め国際機関にも積極的に参加しています。
ベトナム戦争の相手国であった米国とも1995年に国交を回復しており、越米関係は改善されています。
・1995年 7月 ASEANに正式加盟。米国と国交正常化。
・1998年11月 APECに正式参加。
中国はベトナムにとって最大の貿易相手国であり、経済的には大きな影響を受けています。
その一方で南シナ海では、2014年5月以降はベトナムなどが領有権を主張している西沙諸島周辺海域において、中国の実行支配に向けた動きが加速し、越中間の緊張が高まっています。
経済
ベトナムは1976年に南北ベトナムを統一して以降、社会主義体制を採用していましたが、1986年のベトナム共産党大会で、市場経済の導入や社会主義政策の見直しなどを柱とした新しい方針を採択します。
この政策転換に基づいたドイモイ(新しい(Moi)変化(Doi)の意味)政策が始まり、以降ベトナム経済は成長軌道に乗ります。
経済の将来性
ベトナムは人口が多く、平均年齢も約31歳と若いことから、今後も国内需要の拡大が期待できます。
海外からの投資も増えており、グローバル経済が回復してくればベトナムの輸出産業も再び成長してくると考えられます。
通貨
ベトナムの通貨はドン(Vietnamese dong:VND)です。
紙幣は200ドン紙幣から50万ドン紙幣までありますが、1万ドン紙幣でも日本円にすると50円弱です。
実は補助単位に0.1ドンのハオ(hào/毫)と、0.01ドンのスゥ(xu/樞)という単位もあるのですが、現在はどちらも使われていません。
硬貨もありますが、2011年以降は製造されておらず、余り流通していません。
銀行預金
ベトナムの銀行は日本より金利がかなり良く、政策金利は2020年8月時点で4.5%もあります。
但し2020年に入ってから2回の利下げを実施しており、経済刺激策として更なる引き下げも考えられる状況にあります。
ベトナムには日本人でも現地で口座を開設できる銀行がいくつかあります。
利率は銀行によって違いますが、定期で年利5%以上の利率を提示している銀行もいくつもあります。
但しベトナムドンは新興国通貨であり、通貨の下落リスクを考慮する必要があります。
またベトナムは海外送金が比較的難しい国と言えます(海外送金ができない訳ではありません)。
事前に出金する時の方法をよく確認しておくことが大切になります。
株式投資
ベトナム株式は、その殆どがホーチミン証券取引所とハノイ証券取引所で取引されています。
日本でベトナムの株式を扱っている主な証券会社は以下の通りです。
●SBI証券
●アイザワ証券
●岩井コスモ証券
FX(外国為替証拠金取引)
不動産
ベトナムでは外国人でも不動産を購入することができます。
但し外国人の購入については、コンドミニアムなら1棟全戸数の30%まで、戸建て住宅は1街区につき250戸までと制限されています。
また不動産を半永久に所有できる訳では無く、購入できるのは50年間の所有権となります。
この所有権は、外国人は1回だけ更新することができ、最長100年間の権利となります。
新型コロナ問題で2020年は落ち込むものの、ベトナム経済は基本的には成長期にあるため、不動産投資によるキャピタルゲインが期待できます。
人気はホーチミン
不動産投資の対象としては、ベトナム最大の都市・ホーチミン市が中心になります。
ホーチミン市の中では、官公庁やオフィス、商業施設が集中するホーチミン1区がもっとも人気があります。
ホーチミン2区やビンタイン区がそれに続く人気を誇ります。
また7区には高級住宅地として知られるフーミンフーがあり、ここも人気のエリアです。
また市内で発の地下鉄が開通したことによって、地下鉄1号線沿いの5区、9区なども人気が上がってきています。
他の人気地域
ホーチミン以外では首都ハノイも注目度の高い場所になります。
この他、ベトナム中央部のリゾート地として名高いダナンもホテル案件などの投資物件が相次いでおり、大きな注目を集めています。
暗号資産
ベトナムでは2017年から、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)での決済は違法となっています。
但し暗号資産関連法規の整備は進んでおらず、また一方では、2019年にスイスとベトナムの企業が暗号資産取引所の政府公認のライセンス取得が発表されるなど、容認に向けた動きも見られます。
国内でもICO(コインの販売による資金調達)が盛んに行われている実態があります。
ただICOに対しては、警察幹部が2020年6月にも「完全なる違法である」として、国民に注意喚起を行っています。
外貨準備高
ベトナムは2019年時点で約783億ドルの外貨準備高*を保持しており、これは世界第26位に相当します。
ドンが国際的に強い通貨とは言えないこともあり、充分な外貨準備とは言い切れませんが、通貨の防衛を真剣に考えていることが伺える水準です。
*Global Note 世界の外貨準備高 国別ランキング2019年参照
まとめ
ベトナムは経済成長が著しく、将来性もある国です。
人口の多さや平均年齢の若さも魅力です。
ベトナムに対しては、さまざまな投資の形が考えられ、高いリターンが期待できるものも少なくありません。
海外投資の対象として、是非検討して欲しい国と言えます。
ベトナムへの投資を一度考えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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